| 日時 | : | 2008年09月25日(木) 16:30〜18:00 |
| テーマ | : | 多発性骨髄腫の治療戦略 |
| 司会 大阪府立成人病センター 血液・化学療法科 平岡 諦 (ビデオを見る) |
| 骨髄腫の治療はMP療法、多剤併用療法、自家移植併用大量化学療法と進み、生存期間の延長が得られつつあるが、治癒を得るまでには至っていない。また治癒を目指した同種造血幹細胞移植も試みられるようになってきている。しかし高齢のため大量化学療法が対象とならない患者が多いのも事実である。分子標的薬治療は高齢者にも優しい治療となる可能性がある。骨髄腫の疫学、患者・家族会の要望と取り組みを含めて、骨髄腫の治療戦略について討論を行いたい。 |
| 1. 多発性骨髄腫の疫学 (ビデオを見る) |
| 大阪府立成人病センター 調査部 佐藤直美 |
| 多発性骨髄腫は35歳以下では稀で、中・高齢者に発症する疾患である。男性にやや多く、人種別にはアメリカの黒人に多く、次いでハワイ人、白人が続き、日系人や中国人では少ないとされている。今回は、わが国および主要国の罹患率、死亡率、生存率に関する最新のデータを整理し、多発性骨髄腫の記述疫学像を明らかにする。また、大阪府がん登録のデータから、大阪府における多発性骨髄腫の罹患率と5年生存率の動向を提示し、後者については当センターでの診療成績とも対比し、今後の医療の在り方を考察する。 |
| 2. 分子標的薬治療への期待と問題点 (ビデオを見る) |
| 京都府立医科大学 血液・腫瘍内科 島崎千尋 |
| 多発性骨髄腫に対する新規薬剤としてthalidomideやlenalidomide、bortezomibが導入され、さらに骨髄腫の分子病態の解明により多くの分子標的薬剤の開発・研究が進行中である。これらの薬剤は自家造血幹細胞移植や同種移植との組み合わせにより10年生存はもとより治癒への期待を抱かせる。一方、新規薬剤には予期せぬ副作用をみたり、エビデンスに欠けることがある。また、多くは海外で開発されたものであり本邦では未承認、あるいは保険診療上の制約のため患者に不利益が生じる場合がある。本講演では分子標的薬治療への期待と問題点について述べる。 |
| 3. 自家移植併用大量化学療法、同種造血幹細胞移植への期待と問題点 (ビデオを見る) |
| 大阪府立成人病センター 血液・化学療法科 濱中有理 |
| 多発性骨髄腫に対する自家移植併用大量化学療法は現在標準的治療とされているが、最近の報告ではoverall survivalの延長につながるというものは少ない。一方、移植片対骨髄腫効果が期待できる同種造血幹細胞移植による長期寛解例の存在が報告されている。また、ミニ移植の導入により骨髄破壊的前処置による同種移植において問題となる治療関連毒性を軽減することが可能となった。多発性骨髄腫に対する移植療法の現状を、同種造血幹細胞移植を施行した自験例も含めて紹介する。 |
| 4. 家族会の要望と取り組み (ビデオを見る) |
| 日本骨髄腫患者の会 副会長 上甲恭子 |
| 多発性骨髄腫の治療は化学療法に加え、新規薬剤による新たな治療戦略が練られようとしている。新規薬剤が日本より広く使われている欧米では、骨髄腫は慢性病的な疾患になりつつあると言われている。“生活の中にある病気”と共に暮らす骨髄腫患者がQOLを保ちつつ生き永らえるには、医療従事者・患者・家族のチームワークが欠かせない。患者の会の活動の目的は、患者ひとりひとりの“チーム骨髄腫”のチームワーク実現の援助をすることであり、その具体的な取り組みと課題を紹介する。 |